誕生日を区切りとして, 研究生活を中心に一年を振り返るシリーズ. 未来の自分が当時のフリをして書いてます. 他人が読めたものではないので注意. ただ後から読むと楽しいんだよね.

過去編:

2月

修論提出後すぐに発表会があり準備に追われる. 博士課程の審査も兼ねており, 大トリの発表だったけれど総じて好評. 副査の先生がボソッと「博士でもいいレベルですね」的な小言をもらして狙い通りでした. 学部3年生の頃からお世話になっていた三宅先生が審査員に入っていたのも感慨深い. 一旦学業の方が落ち着くと家探し. 目黒駅徒歩圏内一軒家という, 事故物件レベルを掘り当てる. 2年くらいガスが止まっていたらしい. まだ幽霊は見ていない. D先生の誕生日を盛大に祝う. 奥様がスパークリングを全員に買い与える大人行動をとる. とてもとてもいい会. AFADAを何とかIROS-20に出すべくデスマーチ. 一応間に合ったレベルで論文としてのクオリティはダメダメ. 実際D先生に怒られた. COVID-19の足音がチラホラと.

3月

実家を出る. 新居の環境構築に勤しむ. カーテンレールもエアコンもない. とにかく寒い. 風呂が炊けたときは感動した. 残予算を使ってAFADAの増築作業. 中国の業者とやり取りを重ねる. メンヘラ対応されてる気がする. 正式に博士課程合格通知をもらう. 自粛ムードが漂う中, 掛川にひっそり旅行. 目的地はサイコロで決めた. 学部3年生の頃からボチボチ取組んでいた自己身体認知の研究がついにジャーナルaccept. 形になってホント良かった. すずかけと石川台から諸々撤退. IJCAI-20のレビューが帰ってくる. 内容自体は高評価だが10日で全面リバイズしたこともあってreadabilityが弱い. 学位授与式は中止. が, ラボで小規模に集まったり学部時代からの友人と写真を撮ったりはした. 修士(工学)と副専門で物理を修める. 密な2年だったね. 同期たちも卒業. 絶対直接言ってあげないけど, 学生生活で一番幸運だったことは同期2人だよ.

4月

博士課程の始まりである. 引きこもり生活の始まりである. 社会情勢があまりにも不安定である. 大学から完全に撤退. 誰にも会わない日が続く. 講義は5月からに. 研究で初めてインタビュー(オンライン)を受ける. PIBTの改良をボチボチやりつつ, 様子見の意味も込めて勉強にフォーカス. マルチエージェント本を読破したりCoursera漁ったり機械学習したり. ラボの裏輪行としてCLRSことアルゴリズムイントロダクションの読み会を企画. 表輪行はCSにおける実験計画本. IJCAI-20は落とされてしまったが, 査読者が次は通るだろう的なことを言ってくれて一安心. 自炊を頑張る.

5月

新型コロナをとりまく状況は一向に良くならない. 生活のリズムはできてくる. 相変わらず勉強な日々. AAMAS-20がオンラインになったので研究を漁ったり, 特許周りを学んだり, 英文執筆本を読み耽ったり, 他学科の講義にオンラインで潜ったり. 小ぶりな研究ワークは随所で進めていて, winPIBTをMAPFワークショップにサブミットしたり(無事accept), 東大塚田研と自動運転周りで共同研究を始めたり. こういう研究できそうだよね案を大量に作って提案してた. この時期は全くといっていいほど写真がない.

6月

緊急事態宣言明け. インプットシーズンが終わり本腰を入れて研究に取り組む. ブレストしてはダメ出しの繰り返し. 最終的にMAPFの逐次改善にターゲットを定める. それに伴いコードを全面的に書き直す. 朝から朝までコード書いてた. インタビュー記事がsomeoneに掲載される. 自分もライターとして書いたことがあるので変な気分. 十万円の給付金でエアコンを買って人権を得る. 自宅が整ってきたので友人を招きはじめる.

餃子はパワーフード.

7月

財政が安定してくる. サイフォンを導入. IROS-20(AFADA)はリジェクト, 論文がアレだったのでしょうがない. 逐次改善の研究が順調に進んで良い実験結果を得る. 早速論文にまとめ始める. 講義が重なりプレゼン案件が多かった. 教養科目はストレス. 友人たちが海外に旅立ってしまうので一緒に諏訪旅行.

8月

暑い. AFADAをちゃんとした論文にするために実験やらイントロなどを整える. PODC-20がオンライン開催だったのでつまみ食い. ライティングやら自己安定本やらを読み漁る. 運動不足になって久しいのでスピンバイクを導入. プロジェクターも導入して自宅がミニシアターと化す. 知り合いの先生からお願いされて初めての論文査読. 逆側の立場になるのは良いことだ.

9月

AAAI-21に時間非依存な経路計画と逐次改善の2本をサブミット. どちらも十分良い内容である. AFADA用にNFC通信の安定化に努める. 押入れが電子工作台と化す. ワークショップで受賞する. そろそろ殿堂入りでは. HPの日本語対応をする. reactで組んだ, 楽しい. カレーの高速生成手法を確立する. 山梨にワイン造りに行く. カヤック初体験. もう少し年を重ねたら趣味にしたいね.

10月

自宅がAFADAセルに占領される. セットアップが大変だった. 成果をまとめてICRA-21にサブミット. ICAPS-20のsummer schoolにオンライン参戦. 「こんな時期にPhD始めて大変だなw」と言われる. ホントそうだよ. 大学講義もあったので24hで講義を受けるハーマイオニーと化す. カレーの高速生成技術が冴え渡る. IROS-20・ICAPS-20がオンラインかつ無料になったのでつまみ食い. スマホを持たない民になる. なくても生きていけるさ.

11月

AAAI-21リバッタル. 時間非依存は大丈夫そう, 逐次改善は評価が割れる, つまり厳しい. それでも実力がついてきたことを実感する. DIYで本棚を作る. 180cmの木材抱えてスクランブル交差点を渡るのはスリリングだった. iPadを新しくする. Apple Pencilが小気味良い. 前々から課題に思っていたunlabeled-MAPFの研究をスタート. 白紙にブレストを重ねる. 組合わせ最適化等諸々の復習.

耐震性能? 気にするな.

12月

AAAI-21のnotification. 逐次改善はreject, 時間非依存がaccept. 当日はずっとソワソワしていて, IJCAI-19以来のメジャー会議でかなりホッとした. 両方rejectだったら立ち直れなかったかもしれない. ブログシステムを自作, 楽しい. 自宅が寒いので方面で闘う. 炬燵導入, やる気が吸われる. 愛知まで自動運転を体験しに行く. 2020年度唯一の出張であった. 悲しきかな. unlabeled-MAPFが強めの子に育ったので早速論文を書く. だいたい3ヶ月フルで取組むと形になる. 諸々プレゼン準備. 自宅焼肉にハマる.

1月

延期されていたIJCAI-20のワークショップで発表. 本会議も散策. オンラインカンファは難しい. unlabeled-MAPFをIJCAI-21にサブミット. 十分に良い内容である. 逐次改善の逐次改善を行ってIROS-21+RA-Lを目指すことに. 自宅しゃぶしゃぶにハマる. 友人からワインの差入れ. 最高かよ.

総括?

コロナ下で始まった博士課程は想像の斜め上をゆく孤独な道のり. 折り合いをつけつつ苦しんだ一年でした. 相変わらずインプット・アウトプット貪欲にやってるつもりですが, インプットの方が多かったかな. 進捗という面ではもどかしかったけれど, 研究能力という面ではとても成長した. 自分でも実感したし周囲のレスからもそう感じる. まあ, 色々あったけど精神を病まずによく頑張りました. それで十分だよ.