ワシントンDCで開催された人工知能の国際会議AAAI-23に参加して発表してきました. ついでにピッツバーグとボストンにも立ち寄ってネットワーキングをしたので, 2月の2週間をアメリカで過ごすことになった.
以下, つらつらと感想とか. 本当はこういう文章を書くのは面倒だけど, 後から見返すとそれなりに面白いので頑張って書くようにしている. あまり人が読めるものでもなく, あくまで趣味枠にすぎない.
2022年9月終わりにフランス・パリから帰ってきて, それから博論執筆で死んでいたので, 久しぶりに楽しいイベントである. 大きな学会は去年7月のIJCAI-22以来になるか. 英語が堪能なわけでは決してないが, 英語圏への出張は気が楽だ. これはイギリスに行ったときもそう感じた. 行きの飛行機ではトラブルがあったが(定期的にやらかしている), 会場に着くとそういった苦労は忘れるものである…
[パリ研究留学記] [IJCAI-22@オーストリア・ウィーンの備忘録]
今回の採択率は1720/8536=20.1%. 国別で見ると日本は11位. 意外にも韓国が高い. サブミッション数は落ち着いてはいるものの, 相変わらず巨大な会議である. KOは3本主著で出していて, どれもマルチエージェント経路計画の内容で, 高速な経路計画の話と耐故障の話の2本が通った. 通った2本はパリで行ったワークで片方は単著, しかもレビューのスコアが滅法高かった. もう博士課程も終わるので自立して研究遂行できる能力は必須だけど, 我ながらしっかり研究進めているよね… AAAIのようなトップカンファが競争的で華なのは間違いないが, 通すのはあくまで研究プロセスの一つになっていると思う.
[LaCAM: Search-Based Algorithm for Quick Multi-Agent Pathfinding] [Fault-Tolerant Offline Multi-Agent Path Planning]
発表について, オーラル発表が割当てられたセッションの内, 3/4がマルチエージェント経路計画の内容で, とても密な構成であった. 自分は2番目の発表だったが, 1番目の発表がとても良い応用事例になっており(プレゼン内でそう言った), 3番目の発表ではKOのワークが引用されていたりする. セッションが終わってもかなりの時間はその場にいたメンバーで議論してた. ポスター発表も盛況だったが, 2件が同日の離れた場所に割当てられていたので, 行ったり来たりで大変だった.
ネットワーキングも上々である. 新しく友人ができたり, IJCAI-19ぶりの経路計画の人たちと出くわしてワチャワチャできたり, IJCAI-22での知人にばったり出くわしてランチしたり, OSXインターン時のメンターさんにも会えたし, 突然の「あなたのこと知ってる」事案に何回も遭遇したし, 日本から参加してきた皆さんとも交流を深めたり, オフラインでしかできない来年度案件の大事な話をしたりなど. 最終日にはマルチエージェント経路計画のワークショップがあり, 知り合いもそこそこいて, それが一番楽しかったな. オンライン会議がダメとは言わないけれど, オンサイトの恩恵は絶大である. 疲れすぎて毎日倒れてたけど!
[IJCAI-19@マカオで発表してきました] [OMRON SINIC X (OSX) インターン記]
(ワークショップでも飛入りでポスター発表. 写真は個人的レジェンドが撮影してくれた.)
あと, AAAIみたいな大きな会議に来るメリットとして, 招待講演がとても面白いという点がある. お気に入りは"Symbiotic Human-AI Interaction: Experience-Based Insights from AI in Robotics and AI in Finance"のトーク. この方の話は以前参加したサマースクールで聴いたことがあったけど, 視点がとても洗練されていて好き.
[ICAPS-20 Summer School on Automated Planning & Schedulingに参加してきました]
ワシントンDCの治安は悪く, ご飯も美味しいわけではないが, 写真の撮りがいはある. 広角14mmのレンズを新調したこともあり, パシャパシャするのが楽しかった. 青空シリーズだけ載っけておこう.
今回も宿はAirbnbでとった. 会場まで歩いて10分程度のロケーションで, そこそこ安く, 何より広い. でも近所にスーパーも何もなかったのは痛かったな.
AAAI-23終了後はフライトでピッツバーグに移動, フライト自体は1時間ほど. ただ, どちらも空港が不便なところにあり, ワシントンDC <-> ピッツバーグは車移動の方が楽らしい. CMUことカーネギーメロン大学に滞在して色々な人と喋って, 将来の共同研究の話をしたりなど. AAAI-23でできた縁ももちろん使いました. かなり楽しんだんだけど, 人と喋りすぎて疲れた. ボルダリングに連行されたおかげで筋肉痛にもなった. 普段の引き籠りの反動だね…
(Newell-Simon Hall. ロボティクス系のラボはだいたいこの建物に入っているらしい.)
(ホストしてくれたSIいわく, アメリカの標準的なステーキ)
ついでにボストンにも立ち寄った. ピッツバーグからは飛行機で1時間ほど. ボストンは都会であり, 謎の安心感があった. 美味しいブルワリーに案内してもらったり, ロブスターをがっつくなど. 随分と久しぶりにあった後輩が元気そうにやってて良かった.
(こんなにビール飲んだのは久しぶりだ, 次はロンドンで飲みましょうね)
(こいつをひたすら剥く, 有名なお店に連れて行ってもらった)
帰国便はトロント経由. トランジットで使っただけだけど, 大昔には学会で数日間滞在したので懐かしい.
ということで, それはもう満喫した旅でした. 博士課程がもうすぐ終わろうというタイミングでアメリカに足を伸ばせて良かった. 機会が流れ続けていたため, 実は初渡米だったのである… これまでの経験が現在進行系の体験に交差するようになったことを実感するのも, 思ったより悪くなかった. 人生のフェーズが変わりつつあるからね.
ホストしてくれた友人たちに多大な感謝.